今回「第5回 3Dプリンターで作ったルアー限定 釣り大会」の優勝賞品でXYZプリンティング社の miniMakerをいただきましたので、今までルアー出力に使っていたANYCUBIC i3 MAGEとの比較をしてみようと思います。
それぞれの特徴
それぞれの性能を下記の表にまとめてみました。
i3 MAGE | miniMaker | |
造形サイズ | 210×210×205mm | 150×150×150mm |
積層ピッチ | 0.05~0.3mm | 0.1~0.4mm |
ノズル系 | 0.4mm | 0.4mm |
プリント最大速度 | 100mm/s | 120mm/s |
ヒートベッド | あり | なし |
プリント冷却機能 | あり | なし |
キャリブレーション機能 | 手動 | 自動 |
ノズル最大温度 | 260℃ | 240℃ |
ベッド最大温度 | 110℃ | なし |
モーターステップ角 | 1.8° | 1.8° |
マイクロステップ数 | 1/16 | 1/16 |
XY位置精度 | 0.0125mm | 0.0125mm |
Z位置精度 | 0.002mm | 0.001mm |
フィラメント径 | 1.75mm | 1.75mm |
対応マテリアル | PLA,ASB,HIPS,Wood | PLA,PETG,タフPLA |
性能だけ見れば、i3 MEGAの方がヒートベットや冷却機能があってお得感があります。
ソフトウェア比較
miniMaker:XYZmaker Suite
i3 MEGA :Ultimaker Cura
ソフトウェアの使いやすさについては慣れている事もあり、i3 MEGAのUltimaker Curaの方が使いやすく感じます。
細かいパラメータなどがサイドバーから調整、確認ができるので設定ミスも少なくなります。
miniMakerのXYZmaker Suiteはパラメータを調整するための移動が多く、設定ミスが多くなる印象です。
データの移管方法
プリントデータのやり取りに関して比較します。
miniMaker:USB接続でPCより操作
i3 MEGA :SDカードで受け渡し/USB接続モードもあります
i3 MEGAではスタンドアロンで使用するためにSDカードでデータの移管を行っています。
スタンドアロンで使えるので同時に複数のプリンターを使うことが可能な反面、SDカードへデータを移す作業が手間です。
miniMakerではPC接続が必要です。同時に複数のプリンターを接続したことがないので、同時に使えるかは不明です。
印刷物の比較
お待ちかねの印刷物の比較を紹介していきたいと思います。
まず印刷条件について説明します。
- 室内温度は15℃で、ビルドプレートからはがれやすくなるのでスティックのりを塗っています
- 素材は透明PLAで同じものを使用します
- ルアーのボディの積層ピッチは0.1mmです
- miniMakerは冷却機能がないため造形が写真のように崩れてしまうので扇風機の強で送風しています
※左から 0.3mmピッチ / 0.1mmピッチ / 0.1mmピッチ+扇風機
早速印刷物の比較をしてみましょう。
写真左:i3 MEGA
写真右:miniMaker
差がはっきりと出ました。
miniMakerの方がブツブツがかなり少なくキレイに印刷されています。
対してi3 Megaの方はブツブツが多いのが分かります。
ナナメから見るとminiMakerの方がモールドの段差がキッチリ出力できているのが分かります。
リップは別部品にて印刷→組み立てています。
リップを比較するとi3 MEGAの方がリップのエッジが鋭く印刷できました。
miniMakerの方が透明感が高くなりました。これはインフィルの設定が影響していると思います。
リップの組み立てではi3 MEGAの方はやすり等で調整せずともピッタリな勘合具合です。
miniMakerの方はバリ?が多く勘合もきつめでやすりで調整して組み立てる必要がありました。
ウレタンコート+塗装をして仕上げた状態がこちらです↓
塗装をするとデコボコ具合がわかりやすくなりますね。
リップもウレタンコートすることで透明感が上がりました。
印刷時間比較
i3 MEGA :34分
miniMaker:62分
印刷速度ではi3 MEGAの方が約半分くらいの時間で印刷できました。
ガッガッガと印刷しているので印刷の加速度が高いためかもしれません。
加速度が高いのも造形のキレイさに影響していると思われます。
まとめ
造形のキレイさではminiMakerに軍配が上がります。
モータースペック等は調べた限りでは同じなはずなので、単純に機械の剛性やベルトの張り具合などが影響しているのではないかと思います。
印刷速度と機能面(冷却機能、ヒートベッド)ではi3 MEGAに軍配が上がります。
冷却機能は特に重要で細かい造形が多い方は重宝すると思います。
おススメ具合としては下記のようになるかと思います。
i3 MEGA :いろんな素材を使いたい方、パラメーターを細かく設定したい方
miniMaker:3Dプリンターを初めて買う方、キレイな造形が必要な方
i3 MEGAとminiMakerを比較を行ってみました。
メーカーや機種によって個性がありますのでどっちが良い!とは断定できませんが、個人的には入門機種としてはどちらもおススメです。
上記の比較が3Dプリンター購入のきっかけになれば幸いです。